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モッタイナクテ =撮りっぱなしの写真のままじゃモッタイナイ=

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2007年 01月 15日

天辺を目指して


天辺を目指して_f0096000_0172474.jpg



1月13日・14日 日本一の山 「富士山」 の麓で行われた静岡県高校新人剣道大会

優勝!

一人一人の力を信じて、自分を信じて戦い勝ち取った勝利だ。

3月に愛知県で行われる全国選抜大会に出場する。

息子達の代が終わってもドキドキする気持ちは同じだった。



 
 








=采配・決勝戦=

剣道の団体戦は5人対5人。勝った人数、同数の場合は取った本数で勝ちが決まる。

決勝戦 準決勝まで調子が良かった先鋒が苦戦。引分けで延長に入り1本負け。

次鋒は一年生。先鋒が負けたことで背負うものが大きくなったのだろう、やや劣勢気味で試合が進んでいた。

監督は3人目の中堅を呼ぶ。

「ここで負けたら、その時点でこの試合は終わりだ。せめて引き分けて後ろに回せ。
 でも、、、それよりも、ここでお前が踏ん張って勝てば、
 誰が何と言おうと今日のヒーローはお前だ。お前ならできる。」

次鋒は1本先取されたものの根性の面が決まる。がその余韻を楽しむ間もなく相手の面が入り2本負け。
ここで対戦成績は0-2。本数は1-3。

監督の言葉通り、次の中堅が負ければ全国大会への道はここで途絶える。

監督の言葉はマジックだ。

まだ怪我で肩の調子が良くないために前日の個人戦を棄権した1年生の中堅が
怪我など感じさせない素晴らしい試合をしていた。
準決勝まででかなり疲れも痛みもあったろうに。事情を知って見ていると涙が出てくる。

監督が4人目の副将に言う。

「たぶん中堅は勝ってくる。ここで2年のお前が負けたら責められるのはお前だぞ。
 引き分けて大将戦に持ち込んでもいいが、もし勝ったら、、、 それも2本勝ちしたら、分かるか。
 大将がどれだけ楽になるか。そして、今日のヒーローはお前だ。」

この間に監督の言葉を素直に力にした中堅が無傷の2本勝ち。これで勝者数1-2。本数3-3。

最後を託す大将を監督が呼んだ。

「副将は絶対2本勝ちしてくる。スコアを見てみろ。
 いいか、お前が延長まで含めての6分間をうまく引き分ければ本数でウチの勝ちだ。
 それでもいいが、勝ちを取りに行って、もし勝てば、文句なしの勝ちだ。
 ウチの大将として、昨日の個人戦の不甲斐なさを晴らすチャンスにもなる。
 どっちの試合をするかは自分で決めればいい。お前に任せた。好きなように戦って来い。」

この間、副将は相手に1本先取され、応援している方も万事休すかとヤキモキしていた。
信じる気持ちともうダメかという気持ちが交錯した。

が、相手がずれた面を直すために取った時間の直後、起死回生の1本が決まった。
そして、延長へ。勢いを引き込んで抜き胴が決まった。2-2。本数5-4。

いよいよ大将戦だ。

小手を先取されたが、相手に同じ小手で取り返し、延長に入る。
鍔迫り合いからの引き面が決まった。大将はやっぱり大将だった。

感動の瞬間を目の当たりにした。これが団体戦の醍醐味だ。


Shoは監督の言葉のマジックをその側で聞いていた。

『あれが「采配」っていうんだって実感した。言葉で人の心を育てる様子を目の当たりにしたよ。』
帰りの車の中で興奮気味に話してくれた次男の顔が輝いていた。

この剣道部で得たものは勝つテクニックだけではない。

良い指導者に恵まれ、仲間に恵まれ、後を任せられる素晴らしい後輩にも恵まれた。

苦しかった分だけ、喜びも感動も大きい。こんな充実した青春をありがとうってチョイダサだけど思ったりする。

今その渦の中にいて、苦しんでいる現役の子たちにはまだ分からないかもしれないけど、大丈夫。
頑張れ!ガムシャラになれることがあるのは幸せなことだ。

by hatsumimi-kun | 2007-01-15 23:16 | photoshopでお遊び


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